【ヨガの呼吸法】|代表的な6つをご紹介
ヨガは、動きと呼吸を連動させて行います。
ヨガの呼吸は、鼻から吸って鼻から吐くのが基本ですが、
鼻が詰まっていたりして、苦しい時は口から吸って口から吐いても構いません。
現代人に多い口呼吸が習慣化すると、ドライマウスなど口内の健康が損なわれたり、
ウイルスや冷たい空気を吸い込んで喉や肺、呼吸器系の病気にかかりやすくなり
体調を損なう場合もありますので、鼻呼吸を意識して習慣にすると良いでしょう。
カラダを動かしたり、ポーズを取っているときは決して息を止めません。
深い呼吸をすることで、カラダの(気)血液やリンパなどの流れが良くなり
自律神経のバランスが整うことで心身ともにリラックス効果が期待できます。
息を吸う時間と吐く時間を同じくらいにすると良いとか、
吸う時間より吐く時間を長めにする方が良いとか色々な情報がありますが、
自分が心身ともにリラックできる方を選択するのが良いと思います。
息を吐く長さを色々比べてみるのも自分のカラダの状態を知るのに良いきっかけだと思います。
例えば、5秒息を吸ったら5秒かけて吐き出すとか、
3秒息を吸ったら6秒かけて吐き出すとか時間を計りながら自分に合った
呼吸法を探すのもおすすめです。
腹式や胸式などさまざまな種類がありますが、代表的な6つの方法を簡単にご紹介します\(^o^)/
01 【腹式呼吸法】リラックス効果がある
02 【胸式呼吸法】リフレッシュ効果がある
03 【片鼻呼吸法】体のバランスを整える
04 【ウジャイ呼吸法】体を温める
05 【カパラバティ呼吸法】血行を良くする
06 【シータリー呼吸法】体温を下げる
目次
01 【腹式呼吸法】
腹式呼吸は横隔膜の上下運動です。横隔膜とは筋肉の1種で空気を吸う時に使われます。
息を吸いお腹が膨れると腹腔内の気圧が下がり横隔膜が下がり、息を吐くと気圧が上がり横隔膜が上がります。
腹式呼吸により横隔膜の運動が大きくなると、周辺の神経を刺激し自律神経を安定させます。
〈〈 やり方 〉〉
正座や安楽座で座るか、仰向けに寝転んで行います。膝を軽く立ててお腹に手を当てながら膨らみと凹みを確認しながら、吐く時は6~7秒かけて吐ききり、吸う時は3~4秒かけて吸い、そのまま3秒ほど呼吸を止めて、このリズムで呼吸を繰り返します。
〈〈 効果 〉〉
◎ 血液の循環が良くなり、細胞の代謝が活性化する
深い腹式呼吸をすることで酸素を通常の3~5倍大量に取り込んだ空気が全身へと行き渡りますので、滞った血液が浄化され循環されます。血液がスムーズに心臓へと戻り、身体の末端まで新鮮な酸素が行き渡ります。
◎ 身体の老廃物が排出される
腹式呼吸によって横隔膜からの圧迫が起こり、腸や筋肉がマッサージされ、その結果リンパへと働きかけるので老廃物が排出されやすくなります。(リンパは身体に溜まった老廃物を回収してくれます)
◎ 自律神経のバランスが整う
深い腹式呼吸で新鮮な酸素が身体中にそして脳へも酸素が送り込まれます。血液が循環し、体温が上がることで全身に良い気が循環されます。その結果、交感神経と副交感神経のバランスが整えられ、脳にセロトニンが分泌されて心身にリラックスをもたらします。
◎ ウエストが引き締まる
腹式呼吸を行うと、腹筋の一部の腹横筋を鍛えることができます。それによって内臓を正しい位置に戻し、垂れ下がった内臓によるぽっこりお腹を防ぐことができます。
◎ 内臓マッサージで消化能力をアップ
腹式呼吸では、息を吸ったときにお腹が膨らみ、お腹の中に大量の酸素が入ります。その時、体内では横隔膜が上下して周囲の内臓器官に刺激を与えるので内臓のマッサージ効果が生まれます。それによって消化能力もUPされます。
02 【胸式呼吸法】
胸式呼吸では自律神経の交感神経を優位にしますので頭がすっきりとして、適度な緊張感を体に与えるので、ヨガよりピラテスの方が向いてます。主に横隔膜と外肋間筋の筋肉を使います。外肋間筋を収縮すると胸郭が広がるので、胸腔を膨らませながらたくさんの空気を肺に取り込むことができます。
胸式呼吸は普段行うことが少ないため、覚えるまでスムーズに呼吸することが難しいです、実際に身体に手を当てて息を吸うときや吐くときにどの部分が動くかを確認しながら練習してみるといいでしょう。
〈〈 やり方 〉〉
胸式呼吸では、息を吸ったときにお腹を膨らませず胸を膨らませます。両手を肋骨に当てながら、お腹ではなく胸が膨らむのを意識して行います。息を吐くときにも腹筋を緩ませず、肺全体を意識して息を吐き出します。
腹筋は引き締めたままなので、腹横筋が収縮した体幹が安定した状態で呼吸を行えるという特徴があります。
〈〈 効果 〉〉
◎ 肺活量をアップする
胸式呼吸を行うことで、肺全体を大きく使うことができて肺活量を高めることができます。横隔膜が上下に大きく動き、肺を開放したり縮めたりするので酸素を吸い込み、それを体全体に送ることができるので体の隅々の細胞にまで酸素を与えることで新陳代謝が活発となり健康効果を高まります。
◎ 脂肪燃焼効果
胸式呼吸では、横隔膜とその周囲の骨や筋肉までを柔軟に動かすので交感神経が働き出し代謝をアップさせます。エネルギーを効率的に使えるようになると脂肪の燃焼も進み体を引き締めるのに効果的です。
◎ 胃腸の働きを整える
胃腸の働きには胃の上にある横隔膜の動きが影響します。息を吸ったり吐いたりするたびに伸び縮みしています。この横隔膜を押し上げて、胃につながっている部分を緩めことで胃の働きを活発にしてくれます。(横隔膜とは呼吸の際に使われる筋肉)
03 【片鼻呼吸法】
片鼻呼吸法では、左右の自律神経のバランス、陰陽のエネルギーのバランスを整える効果やストレス解消や睡眠の質を上げたり、リラックス効果も期待できます。右鼻で呼吸をするときは交感神経、左鼻で呼吸をするときは副交感神経が優位に働くと言われていて交互に呼吸を行います。寝起きの眠い状態から切り替えをしたいタイミングに行うのがおすすめです。
〈〈 やり方 〉〉
片方の鼻の穴を押さえて、反対の鼻で呼吸するこれを左右交互に変えて行います。
最初にあぐら(安楽座)の状態で座り骨盤から上半身を真っ直ぐにします。左手は膝の上に置き軽く目を閉じると集中できます。
① 右手のひらを自分の顔に向けて人差し指と中指を折り曲げます。
(もしくは人差し指と中指を眉間にそっと置いても構いません、リラックスできる方を選びましょう)
② 親指で右鼻を抑え、左鼻から息を吐く。
③ 左鼻から息を深く吸う。
④ 薬指で左鼻を抑え、親指を外した右鼻から息を吐く。
⑤ 右鼻から息を深く吸う。
これで1呼吸として10呼吸程度繰返し行っていきましょう。
※左利きの方や右手だとやりずらいと感じる方は手を入れ替えて行っても大丈夫です。
〈〈 効果 〉〉
◎ 体調の確認ができる
ヨガでは左鼻が陰、右鼻が陽のエネルギーの通り道と言われています。右鼻呼吸は心身の緊張や興奮をつかさどる交感神経が優位に働き、左鼻呼吸は心身のリラックスや沈静をつかさどる副交感神経が優位に働くと言われています。どちらかの鼻が詰まっていたり、呼吸がしづらいと感じれば、副交感神と交感神経がアンバランスということになります。今の健康状態を測れます。
◎ 呼吸を深められる
(あまりにも鼻が詰まっている時は鼻呼吸はやめましょう)
ちょっとの鼻詰まりであれば、鼻呼吸を続けていると少しづつ鼻の通りが良くなってきます。そして鼻がスッキリしてきて呼吸が深まってきます。
◎ 眠気がとれる
呼吸が深まると脳に新鮮な酸素が行きわたるので、頭がスッキリして眠気がとれます。
◎ 集中力アップ
片鼻呼吸法は、吸う吐くを一定のリズムで左鼻右鼻交互に行うので自然に集中力もついてきます。
集中力できない時は交感神経が優位に働き興奮状態になっている場合が多いと言われています。
04 【ウジャイ呼吸法】
ウジャイ呼吸法はヨガの呼吸法には珍しい胸式呼吸で行う呼吸法です。 胸式呼吸は鼻から息を吸って鼻から吐き、息を吸う時には肺を思い切り膨らませる呼吸法です。 息を吸う時また吐く時に、喉の奥でシューッという摩擦音を出すのが特徴的です。吸った空気を器官で温めて体内のいたるところに空気を送り込む感覚が味わえます。
〈〈 やり方 〉〉
最初にあぐら(安楽座)の状態で座り腹式呼吸の体勢になります。
息を吸うときも吐くときも、お腹をへこませて、口は閉じたまま、舌先を喉のほうで巻いて、腹圧を高めて呼吸を行う。
① 舌先を上あごにつけて腹式呼吸の体勢になり、鼻からひと呼吸して吸ってリラックスする。
② 寝息を立てるように鼻から息を吐きだす。
③ 喉の奥を締めるようにして吸う息でお腹と胸が膨らませる。
④ 吐く息でシューっという音で細く長くお腹から息を吐き出す。
※息を吸うときも吐くときも、お腹をへこませて行う。
※呼吸時に喉から音が出るくらい声門を締める。
〈〈 効果 〉〉
◎ 内臓系器官の活性化
インナーマッスルが鍛えられることにより内蔵系器官も活性化され姿勢矯正の効果も期待できます。
◎ 基礎体温上昇
ウジャイ呼吸法を行うと体内の換気量がおよそ6倍も増加するといわれています。 それにより身体が温まり血行が促進されます。
◎ 喉の浄化
呼吸の時に喉を奥を使って音を出すので喉を刺激して浄化にも役立ちます。
◎ 呼吸器系のトラブル緩和
大きく深い呼吸をすることで、肺の動きが活発になり呼吸器系のトラブルを緩和していきます。
◎ 頭を鎮静させる
呼吸時に出す音が集中を誘い呼吸音を心地よく感じられるようになり頭を落ち着かせてくれます。
05 【カパラバティ呼吸法】
カパラバティは火の呼吸法です。(前頭葉を活性化させやる気を出す呼吸法)「光る頭蓋骨」という意味でその名の通り頭をスッキリさせてくれる呼吸法です。
お腹やせ、姿勢改善、やる気を出したい時におすすめです。
横隔膜や腹筋を使うので、体幹のトレーニングにもなります。
※激しい呼吸法なので、病後すぐのかたや妊娠中、高血圧の人は控えた方が良いです。
〈〈 やり方 〉〉
まずは安楽座(あぐら)や正座などで座ります。背筋はまっすぐ伸ばし、肩や首、お腹の力などを抜きます。呼吸を整え、軽く鼻から息を吸いお腹を軽く膨らませます。
① 鼻から息を吸いお腹を膨らませます。
② 吐く時にお腹をへこませて強く吐き(ろうそくを吹き消すような短く鋭い呼気)お腹にある空気を一気に押し出すように腹圧をかけて鼻から一瞬で全て吐き切ります。フッ、フッ、フッと連続して強く息を短く吐くリズムで繰り返します。(鼻が詰まっている方は口からでも構いません)
※息を吐く時は下腹部(恥骨とへその間)を力強く収縮させ肺から空気を押し出します。
③ 吸うことはあまり意識せずに、一定のリズムで吐き続けます。
④ 最後は鼻から全て吐ききり、
1、2回深呼吸をします。
※ 慣れるまでは、15回~30回ほどから行ってください。
〈〈 効果 〉〉
◎ 肺と呼吸器系を浄化する
吐く呼吸を意識しながら、肺の空気を連続して押し出すことで新鮮な空気を取込み肺を浄化していきます。
◎ 内蔵器官の活性化 する
横隔膜をしっかりと動かす事によって、横隔膜に接している臓器、胃、肝臓、脾臓、腎臓をマッサージし活性化させる効果があります。
◎ 腹筋を強化しウエストシェイプアップする
お腹を動かして内臓全体の血行をよくしたり、活性化して腹筋や横隔膜も鍛えるのでウエストをスリムにしてくれます。
◎ 頭がスッキリして元気が出る
強く息を吐くことによって、脳の換気(脳に酸素を取り込んで要らないものを鼻から出す)をしてくれるから、頭がスッキリして元気がでるのです。
06 【シータリー呼吸法】
シータリーとは「熱を冷ます」「冷却」という意味があります。
シータリー呼吸法は、50度近く気温が上がるインドの厳しい環境で生まれた呼吸法です。
暑くてほてった体の体温を下げ、のどの渇きを抑える効果があり、即効性を発揮します。
ヨガの呼吸法の多くは「鼻から吸って鼻から吐く」という呼吸法が一般的ですが、シータリー呼吸法は「口から吸って鼻から吐く」という呼吸法です
〈〈 やり方 〉〉
特徴的なのが舌の使い方です。舌をアルファベットの「U」の字にして、ストローのように息を吸うのですが、実際に行ってみると、ひんやりと冷たい空気(風)が口の中からのどへ流れ込んでくるのが分かると思います。
舌を外に出して、舌で筒状の管を作り、そこから空気を取り入れる方法です。この「舌を出す」という呼吸法は舌の上の水分を使って気化熱で冷やします。そして、体内に溜まっている温かい空気を鼻から排出することで、効率よく冷たい空気と温かい空気を循環することができ、結果、体温を下げることにつながっていきます。
① 楽な姿勢で座ります。
② 目を閉じて上半身をリラックスさせ、息を全部吐き出します。
③ 舌を筒状に丸めます。
④ 舌を丸めた状態から「シー」と音をたてながら、ゆっくりと口から胸に息を吸い込みます。
⑤ 肺の中に冷たい空気が満たされるのを感じながら、軽く息を止めます。
⑥ 舌を戻して口を閉じ、喉を締めるイメージで鼻から温かい空気をゆっくりと吐き出します。
これを5~10回ほど繰り返します。
〈シート・カーリーのやり方〉 ※舌が丸められない方
ストローを吸う感覚で口をすぼめて行い、体内の温かい空気を鼻からゆっくりと吐き出します。
ラクな姿勢で座り、上半身はリラックス。息を吐き出します。
① 上下の歯を合わせ、口を「イー」と横に広げます。
② 歯の間から息を吸い込んで、「シー」と音を立てましょう。冷たい空気が入ってくるのを感じます。
③ 口を閉じ、鼻から暖かい空気をゆっくりと吐き出します。
2~4を10~20回繰り返します。
〈〈 効果 〉〉
「汗が出る」のは交感神経が優位になっているからです。夏は常に交感神経が優位になり必要以上に体力が消耗されます。睡眠不足になりやすく、だるさ、疲れがとれないといった倦怠感も出てきやすい季節です。シータリー呼吸法によって体のほてりや不快感が取り除かれると、副交感神経が優位になり、ぐっすり眠れることで疲労回復を助けます。呼吸をゆっくり丁寧に行うだけでも自律神経に働きかけることができます。心も穏やかさを取り戻し、夏の暑さによるイライラを鎮めてくれます。
また冷たい飲み物の取り過ぎ防止にも役立ちます。
◎ のどの渇きを抑える
◎ 眠気を覚まし、頭をスッキリさせる
◎ 血液の浄化
◎ 消化力の強化
◎ 活力増進
◎ 夏バテ防止
◎ 暑さによるイライラを鎮める
◎ 暑さによる不眠症の改善や疲労回復を促してくれる